火星移住計画「マーズワン」が破産。やはり詐欺ではないかと非難が集中

オランダの実業家率いる火星植民地化計画「マーズワン」が破産。あれだけ大口叩いていたわりに、あっけない最後になりそうです。
カナダ放送協会「火星への片道切符を謳った『マーズワン』が破産」
約20万人の希望者の中から選ばれた、24人の移住者を火星に送る計画だったマーズワン。現時点までに候補者が100人まで絞られていました。
これはマーズワンのPR動画の一つ(移住候補者100人選出時のもの)ですが、大袈裟な演出の割に肝心の中身は一切伝わってきませんね。
当初から移住計画自体や、費用60億ドルという計算に現実味がないと指摘されており、財政的観点から当初2025年を目標としていた火星到着も2031年へと延期されるなど問題だらけ。壮大な詐欺ではないかと、ずっと疑問視されてきましたが……。

マーズワン側は、破産はあくまで営利部門のMars One Ventures AGの話で、非営利団体Mars One Foundationには影響は無いと主張。「管財人や投資家と協議しながら今後も計画を進められるよう取り組んでおり、現時点ではこれ以上の事はお話しできない」とのこと。
さて、まともに資金調達の出来ない団体が本当に火星旅行など実現できるのでしょうか……。

海外の反応


◆なかなかの詐欺だったけど、これでおしまいかな。

↑そうそう。明確なプラン無し、実現方法のないアイデアだけだったね。最終的な商品を見せない、技術系マルチって感じかな。
いや、マルチというより投資詐欺か?

↑マルチのほうがまだ使える商品売ってるからマシなレベル。


◆マーズワンのあるオランダで天文学者やってるけど、一度この団体からうちの部門に、計画の動画を見て専門家の意見を聞かせて欲しいって依頼がきた。専門的な立場から見てクソだったから皆でボロクソに指摘したら、ありがとうございますって言ってその後二度と来なかった。
それが大体5年くらい前のこと。だからあの動画を見た時点でもう何年も前から、こうなることは予期してたよ。

◆興味あったから個人的に調べたことあったけど、これ凄かったよ。
計画で挙げられてる気温管理とか、酸素や水のシステムがほぼすべて実現不可能な話だった。この人達、酸素供給器に使う氷を掘って生命維持する気だったんだよ。
水の採掘だって。火星で。
しかも少量の水じゃない。計画の提案内容に沿って適切な水量を計算したら、1日3立方メートルを掘って溶かして濾過して浄化しなきゃいけないんだ。あくまで普通の状態でだよ?
あと応募で選ばれた人の証言も読んだんだけど、厳しい身体能力検査と医師の定期的なチェックがあるはずだったのに、残った100人の候補者はSkype上で医者と一回話して、毎日運動するように言われただけだったらしい。
志願者たちにはポイントシステムがあって、最高ポイント取得者がミッションに選ばれるって話だった。で、そのポイントを獲得する方法ってのが、マーズワンのグッズを売ることなんだ。
言うまでもなく、最初から破綻してた計画なんだよ。マーズワンの会社は詐欺さ、意図的かどうかは置いておいて。

↑商品売ってポイント稼がせるって、まじでマルチじゃん!


◆ファイア・フェスティバル火星版か。

↑破綻する前に現地に向かわせなかっただけ良いと考えよう。

↑ロケットで火星に向かいはじめて一週間で、頼みの綱の会社が解散したらって考えてみなよ。相当辛い旅路になるだろうな。
よし、誰かこれ映画化してくれ。

↑ファイア・フェスティバルのときみたいに、火星に到着してみたら居住棟が実はただの一人用テントだと発覚するんだな。

↑そしてカピカピのチーズサンドが出てくると。


◆設立者のバス・ランスドルプによる、大金をだまし取るための壮大な計画だったって可能性はないの?

◆これ、リアリティー番組作って主要な資金集めするって言ってなかったっけ?

◆ファイア・フェスティバルみたいにNetFlixでドキュメンタリーになるのが楽しみだなぁー。

↑それは責任者が捕まってからの話だな。

↑ファイアフェスと同じで、悪事に加担してたマーケティング会社自体がその番組プロデュースするんでしょ。


◆火星移住がいかに複雑な問題か分からなかったんだろうな。

↑ただ火星に降り立つだけでも、相当難しいって皆分かってないよね。「月の次は火星に行けるんでしょ?」くらいの感覚で言ってる。


◆これまだ生きてた計画だったんだ。数年前の時点でもう馬鹿にされてた話なのに。こいつら「既に宇宙ビジネスの会社と契約を交わしています」って言ってたのに、そんなのどこの会社も聞いてないって否定されてたし。嘘つくなら、せめてすぐにはバレない嘘をつけよ……。
このことが商業宇宙飛行に対して、取り返しのつかないイメージダウンになりそうで残念だな。

◆案の定か。ここオーストラリアだと、国内の候補者たちはまるで芸能人みたいな扱いなんだよね。ラジオ番組に出たり、うちの子供の通う学校で講演までしてたわ。本気で信じてたんだよね。なんの技術もない連中が火星で生存する手助けをしてくれる、しかも数年後には出発して火星にたどり着けるって。俺はずっとそんなの無理に決まってるって言ってたけど。自分が正しかったことが証明されて良かった。
絶対に無理な計画だったんだよ。最初から詐欺だったんだって。

↑その手のラジオインタビュー聞いたことあるわ。とにかく恥ずかしいことばかり喋ってて、いたたまれなかった。

↑嘘っぱちだとは皆知ってたけどさ。でも心のどこかで、ちょっとだけ「実現してほしいな」って思ってたわけよ。