ハンディキャップを持つ人が働きやすい環境をお手伝いする、高校生によるプロジェクト

ハンディキャップを持つ人たちを、技術で支援するプロジェクトの動画がYoutubeで公開されています。
このプロジェクトはコンコルド高校の学生チームによるもので、NPOソースアメリカが主催したデザインチャレンジというコンペの高校生部門で見事優勝となりました。
「テクノロジーが人の仕事を奪う」なんてニュースが流れる昨今ですが、こういった人と技術の良い関係も話題になってほしいものですね。

デラウェア州コンコルド高校に所属する11人の高校生チーム「コンコルドライダース」

彼らがサポートするのは「Waggies by Maggie and Friends」というNPO。知的障害を持つ人の雇用を目的としていて、犬用のおやつを販売しています。

従業員とボランティアさんがキッチンで作っている犬用ビスケット。これをきちんと量って、袋詰めしています。

従業員の一人、ベッキー。このプロジェクトの中心人物でもあります。

1袋8~8.4オンスになるように袋詰めする規則ですが、ベッキーは1人では正確に量れません。

「重すぎる」と考えた袋が、規定より大幅に下回っていたり。7分かけて仕上げた袋が、重量超過していたり。

「ベッキーの生産性は他の人とは違います。才能がないというのではなく、彼らのポテンシャルを引き出すのに助けが必要なのです」

そこでこのプロジェクトでは、ベッキーが一人で効率よく仕事ができるような解決策を考えました。

彼女がフラストレーションを感じず、より正確に計量できる方法を模索します。

秤を分解して仕組みを勉強し、まずはArduino(マイコン)で自作した秤を試してみましたが、正確な計量ができませんでした。

そこでUSB出力を持つ秤を使って、Raspberry Pi(シングルボードコンピュータ)でプログラムを組むことに。

このプログラムでは分かりにくい数字ではなく、イラストと音でベッキーに「ビスケットを増やすべきか、減らすべきか」を教えてくれます。

ビスケットを増やす指示に従って、ちょうどいい重さになれば「これでいいよ」というサインが出ます。

仕組みを説明され、少し練習したベッキー。以前よりずっと楽しく、正確に計量ができるようになりました。

なんと3分で10袋も計量できました! 以前とは全然違いますね。

ベッキーはこのデバイスによく慣れ、他の従業員に使い方を教えられる程になりました。

ベッキーも他の従業員も、このシステムが使いやすくていいと評価しています。

海外の反応

◆一言いいたくてきた、あんたたちスゲェカッコいいよ。いいもん見た。じゃあね。

◆ユーザー・エクスペリエンス・デザイナーです。君たちのプロジェクトはすごいし、それ以上に高校でプロダクトデザインを教えているって事をうれしく思う。
多くの学校で技術やら美術やらコンピューターの授業があるにもかかわらず、デザインについて考えることを教えないんだ。生活のために仕事で成功したいなら、それが必要だっていうのに。
これからも頑張ってね。才能があるから、大学では工業デザインとかユーザー・エクスペリエンスデザインの講義を受けるといいんじゃないかな。

◆これは凄いな! なにもかも気に入ったよ。優勝おめでとう。

◆すごく素晴らしい! かかわった人にとってあらゆる面で良い計画だね。大学への願書でも評価されると思うよ。よくやった!
それにビジネスモデルとしてもクールだね。自分のオフィスがあるビルの清掃チームは、ハンディキャップがあってちょっとガイドが必要な若者たちで構成されているんだ。ビルの皆がチームの事を知ってるし、仲良くしてる。仕事がちゃんと出来る子たちだよ。毎日会えるのを楽しみにしてて、一生懸命働いているのを見かけたら話しかけてちょっとしたおしゃべりをするんだ。

◆お見事! このビスケットが買えるようなサイトも教えてほしいな。こういう運動はぜひとも支援したいよ。

◆僕たちのNPOパートナー「Waggies」を支援したい人はhttp://www.waggies.org/で商品を購入したり、寄付できるよ。 ―― 投稿者

↑犬のおやつは必要ないとか、直接寄付するほど余裕がない、でもこの素晴らしいNPOを支援したいと思うなら、次にAmazonで買い物をするときにsmile.amazon.comを利用してみて。購入金の一部が、選んだチャリティに寄付されるよ。もちろんWaggiesも選べる!
余計なお金は掛からないし、簡単に始められる。衝動買いの罪悪感も薄まるってものだよ!


このプロジェクトだけでなく、NPO「Waggies」にも注目が集まり、とてもいい結果になったのではないでしょうか。
コメント欄で紹介されていたsmile.amazon.comは残念ながら日本のAmazonでは実施されていないようなので、今後導入されるといいですね。